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今週から、調査区を拡張して2区の機械掘削を始めています。江戸時代後期、1788(天明8)年の火災整地層の上下面を検出中です。
位置は、近世絵図に見える公家屋敷の敷地の中と思われる地点です。
そこでは、下の写真のような漆喰造りの遺構が見つかっています。
断面方形の幅20-30㎝程度の漆喰の管状遺構が二又にわかれてのびています。その結節点には円形に石が並びその内側には灰色の細粒砂~シルトが堆積しています。
おそらく、水溜施設とそこから延びる(そこへつながる?)導水施設かと思われます。
今出川キャンパスでは、同志社女子大敷地内(江戸時代の二條家屋敷跡)で類似した遺構が大規模にみつかっています。京都御苑の中の迎賓館地点の公家屋敷跡でも類似遺構が見つかっています。
当調査区で見つかっている漆喰造りの遺構は、おそらく公家屋敷の中の庭に関連する施設と考えられます。
問題は時期ですが、1788年の火災焼土の上面に形成されているのか、下面なのかが見分けにくい状態です。近現代盛土を機械で除去すると、パッチワーク状に分布する焼土層とともに、この漆喰施設が姿をみせているのです。
詳細に周囲の堆積状況を確認しながら調査を進めます。
公家屋敷の漆喰造の導水施設_a0382672_15352267.jpg


# by chienkan19 | 2019-10-08 15:37

木製枠が置かれた井戸?

現在、1工区は、第4遺構検出面の遺構掘削作業中です。15-16世紀・室町時代後半の遺物と遺構が多く見つかっています。
中には、石組みが崩れたような堆積で充填された円形土坑があり、その最下面には直線的な線状のへこみが「コ」字形にみえます。へこみには黒色粘土が埋積していました。板状の木製品だとすれば、井戸の最下層の木製枠の跡かもしれません。
木製枠が置かれた井戸?_a0382672_13282193.jpg

木製枠が置かれた井戸?_a0382672_14335412.jpg


# by chienkan19 | 2019-10-01 14:35

現在、安土桃山時代を中心とした検出面の遺構を掘削中ですが、すこし変わった遺構がみつかっています。
写真の遺構ですが、直径3m程度の円形土坑を掘り進むと中央部に石組みがあり、そこに炭化物を大量に含む土壌が埋積しています。
最初は、カマドの下部を掘っているのか、と思いましたが中央部を断割掘削してみるとさらに下面にも石が並んでいます。これはカマドではないということで、現在思案中です。出土遺物から、遺構の埋積した時期は、16世紀末くらいと考えられます。

なぞの「炭化物+石組」土坑_a0382672_12595006.jpg
なぞの「炭化物+石組」土坑_a0382672_12591803.jpg





# by chienkan19 | 2019-09-17 13:02


しばらく、ブログ更新を怠っていました。今出川キャンパスの致遠館地点の1区の調査は、第3遺構検出面の調査をほぼ終えています。
この検出面からは、安土桃山時代~江戸時代初期の土師器・陶器類が多く出土しています。
みつかった遺構群もその時期に形成されたものと考えられます。
土坑などが多くみられるのですが、なかには石を方形に敷き詰めた遺構もあります。建物の基礎(いわゆる地業)の痕跡かともおもったのですが、形態や配列からみるとそう断言することは難しいです。
また、こぶし大の川原石を積んでつくった方形の石組がみつかりました。これは、食物などをいれる地下式貯蔵庫と思われます。中世後期~近世を中心に屋敷地・寺社境内・町家などでよくみられるものです。
安土桃山~江戸時代初頭の遺構群_a0382672_13424605.jpg
安土桃山~江戸時代初頭の遺構群_a0382672_13425529.jpg
安土桃山~江戸時代初頭の遺構群_a0382672_13430082.jpg

この地点で見つかるこういう生活遺構は、誰のものなのかという点が気になります。この調査地が江戸時代の絵図には公家屋敷とそれに隣接する武家の居住地であることはわかっているのですが、江戸時代初期以前のことは不明です。
相国寺の寺域ではありますが、門の外側で塔頭やお堂のある場所とは考えられません。
お寺の門前町として、中世終わりころから町家などができ始めているのでないかと想像されますが、定かではありません。
とはいえ、生活遺構が見つかることは、居住地をなっていたことは確かなようです。

これより、下位の遺構面は、中世の遺構が見つかるようです。絵図には載らない景観を、どうやって発掘調査で明らかにしていくか。
次なる課題です。

 


# by chienkan19 | 2019-09-05 13:47 | Comments(0)

石組と瓦積併用の井戸

現在第2遺構検出面の調査中です。江戸中期を中心とした遺構群を掘削中です。
石組井戸がいくつもみつかってきているのですが、下の写真はそのひとつ。
基本的には石組井戸なのですが、部分的に瓦積で井戸側が構成されています。
まだ底面まで完掘していないので最下部は不明ですが、下から順に石組で、途中で半周くらい瓦積にして、その上はまた石組で仕上げるという変わりものです。
もしかしたら、井戸の機能中に上部石組を組み替えて、その際に一部だけ瓦積にしたのかもしれません。
これは、360°の石組み立面の記録がいるのか、とも思います。写真測量で遺構図作っているので、よく考えれば可能です。たくさん図化用の写真をとって、360°の立面記録にチャレンジします。

石組と瓦積併用の井戸_a0382672_11291777.jpg
石組と瓦積併用の井戸_a0382672_11292153.jpg


# by chienkan19 | 2019-08-08 11:37